純恋〜ひとつの光〜
さっきまで何してきたんだか知らないけど、やっぱり耀は私の前では穏やかだ。

「花火、こんなふうにちゃんと見た事なかったかも…」

「俺もだよ。うるせーって思ってた」

「ははは」

「でも今年はここに青葉がいるから景色が変わった」

耀はいつもさりげなくこうやって嬉しくなるような事を言ってくれちゃう。

そっと顔だけ耀を見上げると目が合ってチュっとキスが降ってきた。

「こんなに世界は広かったんだね」

「…そうだよ」

ずっと俯き下を向いてただ借金を返すためだけに生きてきた。
空を見上げる事なんてなかった。

こうしてしがらみがなくなったのも全部耀のおかげだ。

「耀…。ありがとう。その…、私のしゃっき…」

すると最後まで言う前に、人差し指で唇を押さえられた。

「シー。俺は何も知らない。青葉も元々何もしてない。そうでしょ?」

耀…

「ほら、美味しそうな匂いがする。食べていい?」

私は溢れそうな涙をグイっと拭いて笑顔を向ける。

「うん! 食べよう!」

耀はそんな私を見て穏やかに微笑んだ。

こんな穏やかで幸せな日々がいつまでも続けばと思いながら。
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