純恋〜ひとつの光〜
すると男はまたごにゃごにゃ話す。

「何言ってっかわかんねぇんだよ」

俺はつい勢い余って、そいつの顔面を地面に叩きつけた。

「グァァアッ!」

「坊っ!」

「あーあ。鼻も歯も折れちゃったね」

男は床にのたうち回る。

「五十嵐ー。これじゃ埒明かないよー? もう、何も言わなかったって事で始末しちゃおうよ。チャカあるよね? あ、その前に残りの歯も綺麗にレンチで抜いてあげよう」

そう言って五十嵐に手を伸ばす俺。

「言う! 言うから!」

ん?

「なんだよ。やっぱり話せるんじゃーん。はい、それじゃどーぞ?」

俺はそいつに向かって今度は手のひらを向けた。

「に、新関(にいぜき)だよ…」

「新関? 新関…新関…。ああ! 新関!」

パンと手を叩く。

「新関組が絡んでたのね。それで? なんでうちのシマでわざわざこんな事してくれてるわけ? 俺、頼んでないけど」

「し、知らねぇよ」

「はい。レンチー」

新関組といったら、南の組の奴だ。

「向こうじゃシノギ上げれねぇって!」

「ははは。なーんだ、知ってるんじゃん」
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