純恋〜ひとつの光〜
「坊…そろそろ…」

五十嵐に言われ腕時計を見ると間も無く帰らなければならない時間になっていた。

するとその時数台の車が入って来た。

「あら。噂をすれば新関組のお客さんじゃないか」

わざわざ向こうから来てくれて良かった。
こちらから出向く手間が省けた。

車から数人が降りて来る。

そして一人の男が俺の前に立った。

「こんにちは」

俺はとりあえず挨拶をする。

「どうも。ずいぶんと派手にやってくれたみたいですね」

「んー。そうでもないんだけどね」

「ところであなたは?」

「あ、僕? 僕は…坊です」

「坊?」

その男の眉間に皺が寄る。

俺は親父の隠し子みたいなもんだからな。
侠極会の奴以外なら知らないのも仕方あるまい。

まだ若頭でもないし。
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