純恋〜ひとつの光〜
こんな些細な事で…

アイツらは青葉から貰ったガーベラを踏み潰し、大事にしていた写真まで取り上げやがった。

そして事あるごとに鞭を打って。

俺の身体にはタトゥーでカバーしきれないほどの傷跡が今でも色濃く残っている。

行く当てもなく、他言すれば追い出し命は無いと脅され誰にも言えなかったあの頃。

組員もまた同様、誰も逆らう事など出来なかった。

あの女が出ていって俺は初めて親父にこの身体を見せた。

というか油断していて風呂の時に見られてしまった。

でもその時、親父の慌てた顔を初めて見てどこか安堵した。

気づいてやれなくて悪かったと何度も何度も親父は俺に謝った。

だからもう過去の事として胸の奥にしまっていたはずなのに。

ウロついてると聞いただけでこんなにも…

燻った感情は消える事なく知らぬ間に膨れ上がっていたのか…?

恨みとして。

俺の中でずっと。

真っ黒に染まって…

俺を飲み込んでいく。

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