純恋〜ひとつの光〜
「お前の手を汚したくなかった」
「親父…」
「あんなのお前が手を下す価値もねぇ」
これまで感じた殺気の中で一番とも言えるような強烈なオーラを出す親父に、思わず息を飲んだ。
「それに…尊だが、そもそも俺の子じゃなかった」
「なんだと!?」
「一回だけでできるなんておかしいと思ってたんだ。まさかと思い死ぬ間際に問い詰めたらあっさり吐いたよ」
あの女…
そうだったのか…
「それから尊も身体は弱いくせに頭だけはキレる。母親と共謀して散々悪さを働いていた」
「どうしようもないな」
同情の余地も無かったという事だな。
「ああ。もっと早く消しておくべきだった」
「組は大丈夫なのか?」
あの女の家は、今傘下にいる。
「破門する」
「…そうか」
当たり前か。
これまで破門せずにいたのがおかしな事か。
「あの頃と今では違う。今は組の勢力も格段に上がってあの組を破門したところでウチにはなんの影響もねぇ」
「そうだな」
「話しは以上だ。お前も後悔する前になんとかしろ」
俺は黙って部屋を出た。