純恋〜ひとつの光〜
「そんな、できないよ…。でも、ありがとう」

そう言って笑って見せれば太一は何故かフイッと目をそらして、耳を赤くしていた。

その横顔がとてもよく見えた。

「それじゃ、連絡先交換しようぜ」

「あ…いや…」

「なんだよ。俺とは交換できないってか?」

「違う、違う。その…、携帯持ってないの私」

「そうなの? それじゃ仕方ないか…。とにかく何かあったらここに来ればいい」

そう言って頭をわしゃわしゃと撫でまわされた。

「はは、うん。ありがとう」

その後、しばらくは父親も新しく恋人が出来たのか機嫌が良くて暴力を振るわれる事はなかった。

そして夜ご飯を買いにコンビニに向かえば、そこには太一が仲間とたむろしていて私を見るといつぶりかすぐに駆け寄ってきた。

「青葉! やっと見つけた!」

「え?」

「ほら、これ!」

そう言って太一は一台の携帯電話を私に差し出した。

私は驚き太一を見上げる。

「安物で悪いけどバイトして買ったんだ。これで連絡とれるだろ? 俺以外とは連絡とんなよ?」

なんて言って白い歯を見せる太一。

「ありがとう」

私はその携帯を持って家に帰れば、早速太一からメールが届いた。

"これでいつでも繋がってられるぞ"

"お前、放っておいたらどっかに消えそうだし"

そんなメールが私の心を癒してくれた。
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