純恋〜ひとつの光〜
そんなある日、私はすっかり油断していた。


呑気にリビングでテレビを見ながら買ってきた食パンに苺ジャムを塗って食べていれば、仕事から帰った父親が酔っ払っていて、虚な目で私を見た。

そして何も言わずに殴られた。

あー、ダメだこれ。
機嫌悪いわ。

女に振られたやつだ。

最悪。

身体を小さく縮こめて、気が済むのを待つ。

良かった…
今日はタバコの火は当てられなかった。

あれだけは本当キツいのよ。

父親はいつも慰謝料としてなのか、殴った後は私にお金を投げて寄越す。

ベッドに入れば太一からまたメールが届いていて、思わず涙が出た。

太一の優しさに甘えてしまいたくなった。

誰にも言えない秘密を太一とは共有できる。

太一から届くなんて事ないメールが、今の私の支えになっていた。
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