純恋〜ひとつの光〜
「ごめんね、おばさんなのに」

29歳にもなる女が若い子に混ざって夜の店で働くだなんてね。

「まーたそんな事言って。誰よりも綺麗じゃないですか」

「真由香ちゃん、こんなおばさん放っておいてくれていいのに。ありがとね」

「青葉さん…、青葉さんの借金ってそんなにあるんですか…?」

真由香ちゃんが心配そうに聞いてくる。

「あー…、うん。そうね。まだまだ返せそうにはないかな」

「そう…なんですね…」

「心配しなくても大丈夫よ、真由香ちゃん。ありがとう」

「いえ…、ただ休めてるのかなって思っただけですから」

休みね…

言われて鏡を見れば隈も酷い。

最後に休んだのはいつだったかな…
胃腸炎になった時以来ずっと働き詰めだったから、かれこれここ数年は休んでいないかもな。





< 4 / 251 >

この作品をシェア

pagetop