純恋〜ひとつの光〜
夜の仕事が終わって誰もいない家に帰る。

シンと静まり返った部屋にひとり、どこか何かぽっかりと穴が空いたような気がしてくる。

部屋のどこを見ても太一の存在が色濃く残っている。

でもここに引っ越して来てからの私たちは、夫婦として穏やかに暮らした事はなかったかもな…

時間が止まったままのこの部屋と私。

長い長い旅をいよいよ終わりにしないといけないのかもしれない。

もう私たちは元には戻れない。

お互いの傷を舐め合うように側にいた時間は、今となっては空っぽで爪痕だけが心に残った。

心も身体ももうボロボロだ。

ぽつんと冷たい床にうずくまり、電気もつけずに窓の外の月を見上げる。

空はこんなに広く大きいのに…

私はこの狭い部屋で、太一の面影を感じながら残された借金を返し続けるのか。
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