純恋〜ひとつの光〜
奥からは昔太一が買ってくれた携帯が出てきてまた泣きそうになる。

あの頃、どれだけ太一に救われた事か…

殴られて痛みに耐え、ベッドに入って声を潜め太一から届く何気ないメールを見て、泣きながら笑った。

私を太一の家に住まわせてくれて…

結婚もして…

幸せな未来を夢見て何度も…

もう戻らないと分かってるのに思い出すと涙が出てきてしまう。

私は一体この先どうやって…

「ふっ…ぅうっ…」

その時、部屋のチャイムが鳴った。

え?

こんな時間に誰!?

まだ朝の5時よ!?

まさか借金の取り立て!?
いや、今月分はもう払った。

まさか…太一?

私は恐る恐るドアまで近づく。

「どなたですか?」

「俺」

この声は…?
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