純恋〜ひとつの光〜
どうやら俺は、他の人からは変人だと思われている。

何を考えているのかわからないらしい。

だから親父もあんな犬(五十嵐)を俺に付けたんだ。

別に逃げも隠れもしないのに。

そして鏡に映る自分の身体をチラッと見てまた蹴り上げた。

背中一面に彫られた金剛界曼荼羅をモチーフにした馬鹿でかいタトゥー。

そして胸や腹、腕、脚など、服で隠れる部分には全て刻まれている。

脇腹には腰から脇の下くらいまである一輪のガーベラ。

彼女はいつ気付くのだろう。

ガシャンと音を立てて天井から吊るしていたサンドバッグの鎖が切れた。

「あーあ。壊しちゃった」

こんな蹴りで壊れちゃうんだもんな。
青葉さんなんて、直ぐに壊れちゃいそうだ。

優しくしないと。

優しく、優しく。
< 57 / 251 >

この作品をシェア

pagetop