純恋〜ひとつの光〜
床に転がるサンドバッグに跨り、殴る。

あの男を思い浮かべながら。

「坊っ! 坊っ! 耀さん!」

無我夢中で殴っていれば、五十嵐が慌てて止めに入る。

「なに?」

「お休みになったんじゃなかったんですか?」

「あー、なんか寝れなかったから」

「血が出てます…」

そう言われて拳を見れば血だらけになっていた。

「あ、本当だね」

俺は痛みに鈍い。

「手当てしますから、こちらへ」

「そんな、いいよこんなの。直ぐ治る」

「そうはいきません」

「はいはい」

そして渡されたタオルで軽く滲んだ汗を拭く。

「シャワー先に浴びて来てください」

「クククっ、なんかいやらしいな、その言い方」

「坊!」

「わかってるよ。そんな大きな声出すなよ」

フンと鼻息を荒くする五十嵐の横を通り過ぎ、シャワーを浴びた。
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