純恋〜ひとつの光〜
「やっぱり大した事ない」

首にタオルをかけて濡れた髪から雫が落ちる。

こんなのかすり傷だ。

「そんな事ありません。坊は骨が折れても気付かないんですから。ほら、動かせますか?」

そう言われて、手のひらを開いて閉じてみせる。

「ほら大丈夫だろ?」

「全く。やり過ぎなんですよいつも」

「あれ、もっと頑丈なのないの?」

「あれが一番頑丈なんです!」

「おーコワッ」

「俺は坊が一番怖いですよ」

「え? なに?」

「いえ、なんでもございません」

「俺、怖がらせたくない」

青葉さんには絶対に。

「ならもっと加減を覚えて下さい」

「えー、出来るかな」

「もうすぐ若頭になるんですよ? 今のままじゃ目に止まる敵、皆殺しですよまったく。だから今だって現場に行かせてもらえないんじゃないですか」
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