純恋〜ひとつの光〜
太一の親は若くして事故で亡くなり、一緒に住んでいた祖父母も高校の時に亡くなった。

そこから太一は一人暮らしを余儀なくされ、働きながら学校に通っていた。

太一と私は同じ中学で、高校からは別だったから両親も祖父母も亡くして一人暮らしをしている事も再会するまで知らなかった。

私の親は、高校を入学してすぐ長年の父の暴力に耐え切れなかったのか母が家を出て行って、それまで私には手を挙げなかった父の矛先は私に向けられた。

ボロボロの身体で高校に通う日々。

家に帰れば酒を飲んで私を殴る父親。

そんな家に帰りたくなくて、ふらふらと夜の街を徘徊していれば太一と再会した。

中学の時の太一は、昔から皆んなの中心にいるような明るくて成績も優秀で人気者。

そして、学校で一番の美男子だった。

でも再会した太一は、制服を着崩して、髪は金色に染めていて、いかにも不良そうな奴らと連んでいた。

それでもやっぱり中心にいて、明るく楽しそうにしていたのを覚えてる。
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