純恋〜ひとつの光〜
実の母親は金と引き換えに俺を親父に差し出し、姿を消した。

だから顔も知らず、似顔絵なんて描けるわけがなかった。

結局白紙のままで、一人一人参観に来ていた母親に感謝を述べながら似顔絵をプレゼントしているのを俺はじっと席に座って見ていた。

学校が終わり、付き人もその日は親父に呼び出されたかで珍しく俺に一人の時間ができた。

真っ直ぐ帰れと言われたが、さらさらそんな気はなかった俺は行った事もない公園に寄り道した。

初めての寄り道だった。

そして一人、その日の授業参観を振り返り柄にもなく泣きそうになっていたところで話しかけられた。

そこにはセーラー服を着たとても綺麗な女子中学生が笑顔で俺を見ていた。
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