純恋〜ひとつの光〜
♦︎♦︎♦︎

「君、一人?」

俺は頷く。

「なんか嫌な事あったの?」

ブランコに乗る俺の前にしゃがんで話しかけてくる女子中学生。

なんでわかったんだろう。

俺は感情があまり表に出なくて、分かりづらくて気持ち悪がられるのに。

「今日、母の日の授業参観だったんだ」

いつもなら知らない奴には口もきかないのに何故か俺は答えてしまう。

「本当? 私のクラスもそうだったよ」

彼女は俺の隣のブランコに乗って話し出した。

「でも俺、母親がいなくて」

「そうなんだ…」

「うん」

「それでそんな顔してたんだね。大丈夫だよ、元気出して!」

そう言ってパンと背中を叩かれた。

「実はね、これお母さんにあげようと思ってたんだけど…、君にあげる!」

そう言って一輪の赤い花を差し出された。

「なんていう花?」

「ガーベラだよ! なんかね、いろんな色があったんだけどそれが一番元気そうだったから」

初めてだった。
誰かに何かをもらったのは。

こんなに嬉しく感じるものなんだ…

こんなに人の優しさに触れた事のない俺は、彼女が女神に見えた。

そして何よりもその笑顔が澄み切った尊いものに見えた。

「お姉ちゃん、名前は?」

「青い葉っぱで、青葉だよ! 平田青葉」

平田青葉…
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