次期社長の執着愛。 〜御曹司だと知らずに逃げた苦労人女子なのに、社長になって、全力情愛で追いかけてくる。〜
「あっ、碧巴さん……気づかなかった」
「うん集中してたから見てた」
「でも、今日は来る日ではないですよね?」
「うん、そうだよ。でも、副店長から連絡をもらってね。働きすぎの店長がいるから注意してほしいって。何かあった?」
あー……安藤くんにも心配かけちゃってたか。確かに頻繁に声かけてくれてた気がする。
「すみません。あ、でもこれは出勤時間に入れてないんで退勤ボタンは押してるから安心してください」
「いや、そういうことじゃないんだよ。それも大事かもしれないけど、心配なのは聖菜さんの身体。こんなメチャクチャに働いて何かあったでしょ。もしかしてあの社長関連? 最近常連さんだったらしいじゃん。なのに、ここ数日来ていないって副店長も言ってたよ」
「……うん、そうだね」
「何があった? 俺でよければ聞くよ。俺は聖菜さんにとって少し近いけど遠い距離の人だから話しやすいと思うけど」
「確かに、そうだよね……簡潔に言うと、前の職場の同僚と会って話しました。なぜいなくなったのかも話して、そしたら音沙汰なしです。やっぱり、重かったんだと思います。だけど、何か言ってくれればいいのに……受け入れられないって言ってくれれば私もこんな思いしないのに」
なぜか声に出して言葉にしたらムカついてきた。