次期社長の執着愛。 〜御曹司だと知らずに逃げた苦労人女子なのに、社長になって、全力情愛で追いかけてくる。〜

碧巴side



 客室から出てすぐ近くにいたらしい俺専属の秘書兼執事でこちらも幼馴染の壱月(いつき)が声をかけてきた。


「碧巴さま、準備が整っています。二階、会議室です」

「ありがとう、誰がいる?」

「はい。先程、木ノ下さまに絡んでいた社長代理として参加していた弓削理人という男性と村岡社長です。そして、ハルさまもいらっしゃいます」

「ハルがそっちに? 俺は聖菜さんを迎えに来てと言っただけなんだが」


 俺もハルに大まかに話しすぎてこいつに居場所を教えろと強請ったんだろう。壱月と話をしながらエレベーターで降りた。


「まぁ、いいか。俺は会議室に行く、壱月は聖菜さんにケーキセットでも届けてくれ」


 さっきはケーキが食べることできなかったし、こんな終わりじゃ申し訳ない。だから、少しはいい思い出にはならなくてもケーキ美味しかっただけでも思ってもらいたい。


< 91 / 163 >

この作品をシェア

pagetop