次期社長の執着愛。 〜御曹司だと知らずに逃げた苦労人女子なのに、社長になって、全力情愛で追いかけてくる。〜
「かしこまりました。届けます」
「あぁ、よろしく頼むよ」
会議室の扉の前に着くと、壱月は俺の名前を呼び捨てで呟く。
「あまり問題は起こさないでくださいよ。一応、大企業の社長さまです」
「分かっている。忠告は受け取っておくよ」
「はい。では、ノック致しますね」
壱月が扉を三回ノックすると、中から「はい」とハルからの返事が聞こえた。なんか、イラついている……だけど入らないわけにはいかないので扉を開けた。