獣人姫は公爵家メイド──正体隠して仕えるも、次期公爵の想いには鈍感です

第四章:優しい貴族様からのお誘い

それから3日後、ようやくラビリスゲルに着いた。
私たちの中にはラビリスゲルの学園に留学する子もいるので彼らとはここで別れる。
「姫様、これからどうするおつもりですか?」
別れた直後、リムが心配そうにこちらを向いて呟く。
確かにこの後どうするか考えて無かったわね...。
うーん、と私は少々考え込んで言った。
「まずは、宿探しからしましょう。仕事探しは明日よ。」
みんなが賛成してくれたため、ひとまず宿を探すことにした。
その時、後ろから男性の声がした。
「何かお困りかな?君たち。」
私たちがパッと振り向くと若い男性が立っていた。
整った顔立ちによく目立つ銀髪。
髪型は短髪
そして、海のような青い目。
服装は、おそらく高いであろう絹のシャツにコート。
貴族階級の方だわ....。
私は震えながらこう言った。
「わ、私たちはリーフェント王国の者で、今日初めてここにきたんです...。こっ、これから今夜の宿を探そうと思っていて...。」
すると彼は微笑んで言った。「じゃあ、ひとまずここではなんだから私の家で話そうか。」
追放された身のためもはや断るなど許されない私たちは、彼の乗ってきたお高い馬車に乗り込み、彼の家に向かった。
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