獣人姫は公爵家メイド──正体隠して仕えるも、次期公爵の想いには鈍感です

第五章:少年の再会

そんなことを悶々と考えていら間に、馬車はどんどん走っていく。
キキーッと馬車が止まると貴族様は私たちに手を貸して下りるのを手伝ってくれた。
「ここが私の家だ。」
そう言って彼は微笑む。
しかし、私は目の前にドーンと建った「家」というには大きすぎる豪邸に驚きを隠さなかった。
こんなの私の城と同じ大きさじゃない‼︎
いえ、下手したらそれより大きいかもしれないわ...。
そんなことを考えている私をよそに、彼はズンズンと歩いて扉をノックした。
突如扉が開き、バトラーたちとメイドたちが揃って頭を下げて一斉に言った。
「「「「「「「おかえりなさいませ。公爵様‼︎」」」」」」」
こっ、公爵様ですってーーー?!
直後、パタパタと階段を駆け降りる音がして、女性と少年の声がした
「お帰りなさい。あなた♡」
「父上!おかえりなさい!」
二人は同時に言った。
そして私は少年の顔に見覚えがあると感じていた。
その後公爵夫妻が夫婦で話し始めた時に、少年がこちらをチラリと見たので、私たちはぺこりと頭を下げた。
そしてその直後、彼は一瞬フリーズしてから叫んだ。
「なっ、ななななんで、なんでお前らがここに居るんだぁぁぁぁぁ?!」
「私が連れてきたからだが。」
少年が言い終わるか、言い終わらないかのうちに公爵様はにっこりとこちらに親指を立てながら言った。
そしてそのあと、少年と公爵様の言い争いバトルが開催したのであった。
「おいっ!コイツ黒猫じゃねーかっ!」
「だからなんだ?」
「この家が不幸になってもいいのかよっ?」
「なーに気にすることはない。そんなの迷信だ。それに泊まらせることくらいいいじゃないか⭐︎」
「良くねえよぉぉぉぉ!!」
あとなんだその星っ!と少年ー公子様が叫ぶ。
そしてそこに公子様の専属であろうバトラーまでが加わった。
「公爵様。私レクスは公爵様に賛成いたします。」
「裏切り者ぉぉぉぉぉ‼︎」
公子様の抵抗虚しく、公爵様の命令なのだから従うしかないのだろう。
というわけで私たちは公爵様の家に泊まることになったのだった。
そして、馬車の中で立てた私の予想はものの見事に外れたというわけである。
ていうかこの人なんの獣人の方なのかしら。
恐竜とかだったら流石にまずいし...
「あっ、ちなみに私達はホワイトライオンとホワイトタイガーの夫婦なんだよ。」
私の考えを読んだように公爵様が振り返ってそう言った。
それを聞いた瞬間、私は自分が少々青ざめていくのを感じた。






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