余裕の無い奥田さんは華ちゃんを甘やかす
最近店に来ないのは、事務処理の量が多くて外に出られないから。そして、仕事が鬼のように忙しいのにそれ程給料は上がらないのがサラリーマンの辛い所らしい。
リアルな社会人の声ですねと言うと、リアルな社会人の叫びだよと返されて笑った。

就活の話になると、経験者として面接や筆記などのアドバイスもしてくれた。でも、将来の夢は?って聞かれたから「二児の母」って答えたら「なんて、現実的な。安月給でいいなら俺がはなちゃんもらおうか?」って言われてドキッとした。
ま、その後に「でも、年が離れ過ぎてるか〜もう少し若かったらな〜。」って言ってたけどね。
調子に乗せられたり、落ち込まされたり奥田さんに振り回されてるのかな?みのり曰く脈ありなんだけどな。

暫くして料理が来て、私の将来の夢の話から佐藤さんの結婚話になった。佐藤さんと奥田さんは同い年だしそろそろ結婚話を考えるのかなと思って、思い切って聞いてみる。

「結婚は、考えなくもないけど相手あっての事だから。お互いの気持ちがあえば付き合ってからの期間とか他の事も気にならずに俺も、あの館長さんみたいにビビッとズバッと行くかな。」
と、笑いながらわたしが話した佐藤さんのマネをしてくれた。

「そうなんですか。私には、まだ全然ピンと来ませんでした。」
< 34 / 39 >

この作品をシェア

pagetop