コドカレ。


私だって、決して誰でもいいわけじゃないのに。
そんな事、竹井さんの前で言わなくていいのに。

あんたが他の女とラブホ行ったのがいけないのに、何で私が責められなくちゃいけないのか。


車に乗り込んでから竹井さんがこっちを見て、私に視線を向ける。

何言われるんだろう……。
軽く思われただろうな、そんな事を思っていたのに。
怖くて顔も上げられなかったのに。


「大丈夫?」

竹井さんがかけてくれた言葉は、優しくて私を心配してくれるものだった。


「……は、い」

「前の彼氏?」

「……はい」

「酷い奴だなぁ。別れて正解」

「え?」

「あんなの忘れて俺とつき合っちゃえ!!」

「えぇっ?」

つき合っちゃえって、告白ですか?

頬を赤らめる竹井さんは大人な筈なのに、可愛くて。
私の事も庇ってくれて、あんな奴の言葉を真に受けない大人で、きっと私を優しく包み込んでくれる人。


「あ……はい。よろしくお願いします!!」

私の返事は決まっていた。

この人だったら、私を抱きしめてくれる。
きっとこの人だったら――。



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