コドカレ。



そして、先程よりもっと小さなボソボソ声で内緒話がはじまる。


「お前絶対騙されてるよ」

「お、俺もそう思うんだけど……」

やっぱりそうだよな。
なんて思いながらも、


「なんか、突然泣き出してさ……」

頭に思い浮かぶのは、あの涙を流す彼女の姿。


「その時だけなんだけど、ちょっとだけ可愛いなって、思っちゃって……」

「お前、今、どんな顔してっか分かる?」

「え?」

「今までヤマトが女子の話するなんて、ブラが透けてるとかオッパイがデカイとか」

「お、おい……」

「そんな内容だったのに。可愛いなんて言うのはじめてじゃん」

「……」

「好きなんじゃん?その女子高生の事」

「ちっ、ちが……」

「ま、騙されてんだろうけど」

そう言い放つヒロキの口からは、憐れみと大きな溜め息が漏れた。

今まで10年間生きてきて、女子より男の友達と遊ぶ方が面白いし、俺等の話題はサッカー、ゲーム、漫画、お笑いの話ばっかりで、女子なんてたいして興味なかった。
あるとすれば、誰がブラ付けはじめたとか、胸がデカイ小さいとか、トイレに行くに持っていく小さなポーチの中身……とか。
雑誌の中の女の人とか位で。

ヒロキの様に彼女作ろうとか思った事なんてないし、面倒臭いと思ってた。
気になる特定の女の子なんていなかったし……。

……好き?


「……マジかよ」

両手で頭を抱えて、そう呟く俺は、違うとは言いきれなかった。




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