コドカレ。


小さいけど、柔らかくて温かいヤマトの手が私の頭を何度も滑る体温に。気持ちいな、目を閉じると昔の汚れなんて知らない自分に戻った気分になる。

まだ小学生のヤマト。

ヤマトと同い年だったら良かったのに。
もし、ヤマトと同い年だったら。そしたら2年後に中学校で普通に出会って、その頃の私はまだ捻くれてなくて。

真っ白な心のままヤマトと出会って、どうせ汚れるならヤマトとが良かった……なんて。


なんて。




次に目を開けたのは――、カーテンの隙間から、朝のあかりが差し込んだ。


「起きたの?おはよう」

ヤマトのベッドの上で寝てしまったらしい私の前にいたのは、見た目30代前半位の女の人。

多分……ヤマトのお母さんと思われる人は、私をじっと見据える。

まだ高校生だし、実家に住んでる男の子の家に泊まった事はあるし。内緒で泊まって、バレてしまった事も今まであった。

けど、今回は何もしてないとはいえ、まさか小学生の男の子の家で寝てしまうなんて。

色々やってきたけど、今回のは今までで一番マズイと思う。
血の気が一気に引いてくのが自分でも分かる。


「学校行くんでしょ?朝ご飯だから顔洗って降りてらっしゃい」

穏やかな口調だけど、決して穏やかな雰囲気とはいえない。ヤマトのお母さんの顔は見れず、下を向いて


「あ…………、はい」

と、小さく返事をするしか出来なかった。


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