コドカレ。


そして――


次の日の俺ん家の朝の食卓には、アヤさんもいる。
流石のアヤさんも気まずそう。というか、何で一緒に朝御飯食べる事になってるんだよ。

母ちゃんと父ちゃんと俺とアヤさん。また起きてこない兄ちゃんの席は空いているけど。
朝の食卓に異様な雰囲気が漂う。


「朝食は食べなきゃ駄目よ」

アヤさんに向けられる母ちゃんの口調は、かなり刺々しい。


「……はい」

初めて見る何も飾られていないアヤさんの素顔は、いつもより少し幼くて。

普段も化粧しなくていいのに。
なんて、雰囲気にそぐわない事を考えてしまう。



「ところで、名前は何ていうのかしら?」

「矢野綾です」

「花ノ女子高の制服着てるけど、何年生になるの?」

「1年です」

「ところで、あなた。家に連絡しなくて大丈夫なの?」

「あ……うち、親あんまり家にいないんで」

「そう」

まだまだ母ちゃんの尋問は続く。
なんか女同士の会話って怖いな、なんてちょっと他人行儀にこのやり取りを見つめている。


「昨日はどうしてうちに?」

「昨日は、ヤマト……くんと話していたら」

「……」

「急に雨が降ってきて」

「……」

「ここで雨宿りさせて貰ってたら」

「……」

「いつの間にか寝てしまったみたいで」

アヤさんの話の内容は俺が母ちゃんに説明したものと大体同じもので、少し安堵する。



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