天使の階段
ツカツカと私に近づいて来る、足音が聞こえた。

あの髪の長い、拓未さんという人だ。

「おまえ、やる気あるのか?」

「……えっ。」

「ただの暇つぶしに来てるなら、二度と俺達の前に現れるな!」

そう言い残すと、髪の長い人は去って行った。


「あ~あ、またかよ。」

カメラマンの人が、ため息をついた。

「モデルって言ったって、読者モデルでしょ?みんな素人なんだから、徐々に慣れさせればいいのに。これで今回受かった子みんな、ボツだよ。」


ボ、ボツ!?

「拓未さんの辞書に、『妥協』っても文字はありませんからね。」

木下さんも、仕方ないって感じだった。

「あ、あの。私……」

木下さんが、振り向いてくれた。

「これで……モデルの仕事、終わりですか?」

ポリポリと、頬を掻く木下さん。

カメラマンも、お手上げ状態だった。
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