天使の階段
「たぶん…。」

「いいなあ。私も寧々が着てる服、安く買えたらな~」

頬杖をついて、まだ私が載っているページを、郁はめくっている。


私が着ている服。

雑誌の私のページに、付箋を貼っている郁。

私が撮影で着ていた服を、買ってまで着ている郁。


「郁。」

「なに?」

「どうして……私が着ている服を、欲しがるの?」

そんな質問をされて、郁はキョトンとしている。

「寧々に憧れているし、それにこの服、可愛いじゃん。」

「そうだけど……」

「なんで?それがモデルを使う目的でしょう?モデルさんだって、皆に買って貰う為に、撮影してるんでしょう?」

郁の答えは尤もだ。


「ねえ、寧々。今度欲しい服があったらさ、寧々に頼んでいい?」

「えっ?」

「お~ね~が~い~!」

甘えた声でせがむ郁に、私は『いいよ。』としか、言えなかった。
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