天使の階段
「はい。」

「桜井。おまえももう二十歳なら、この仕事で食っていく事を、考えてみてもいいんじゃないか?」

私は、息が止まった。

「モデルで……食べて行く……」

「ああ、そうだ。」

私が、モデルを一生の仕事にしていく?

「それとも、そこまで考えていなかったか?」

拓未さんが、真剣な顔をしている。

いや、元々こういう表情しかしていないんだけど、益々厳しい顔をしている。


「いえ。私、ずっとこの仕事をしていきたいです。」

「そうか。じゃあ、この仕事。受けてみるか?」

「はい!お願いします!」

私は拓未さんに、頭を下げた。

「そうか。受けてくれるか。」

拓未さんが、笑顔になっている。

珍しい。

「そんなに……私が専属のモデルの仕事を受ける事、嬉しいんですか?」

「ははは!そうだな。目を付けた女の子が、段々人気になっていくのを見るのは、面白いよ。」

拓未さんの、意外な部分を見た気がした。
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