天使の階段
「もう少しだけ、待って下さい。」

拓未さんは、編集長に頼み込んでいた。

「必ず専属の契約の、サインをさせますから。」

すると編集長から、クスッと言う声が聞こえた。

「珍しいね。強行突破の拓未君が、たかが二十歳そこらの、アマチュアモデルに手こずるなんて。」

「ははは!」

笑ってる!

あの拓未さんが!?

「見てて下さいよ。そのアマチュアモデルが、あっと驚くようなプロになりますから。」


私、もしかして……

拓未さんに、期待されている?


「相当、そのモデルの事が、気に入ってるんだね。」

「ええ。久しぶりに、鍛えがいのある奴なんですよ。」

その言葉に、私は一抹の不安。

鍛えがいのあるって、どれだけ厳しくされるの?

「忘れていた何かを、思いだしました。絶対桜井を育てて、日本一の、いや、世界一のモデルにしてみせます。」

それを聞いて、私は自分を奮い立たせた。

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