天使の階段
郁のお葬式の1週間後。

拓未さんが、我が家を訪れた。

「すみません。寧々は部屋から出たくないと言って。」

「そうですか……」

私は既に、何度か仕事を断っていた。

「何かあったんですか?」

「それが……親しい友人だった子が、急に亡くなって……」

私はガバッと起き上った。

私がいない間に、何を言いだすの?

お母さんは!!


「毎週日曜日になると、決まって家に遊びに来る子でしたから……」

私は慌てて、階段を駆け降りた。

「お母さん!」

拓未さんとお母さんは、ギョッとしていた。

「郁は関係ないでしょ?」

「寧々……」

私は拓未さんの前に立った。

「拓未さん。私はもうモデルを辞めます。」

「ね、寧々?」

お母さんの方が驚いていた。

「応援してくれる親友が、いなくなったからか?」

「違います。モデルっていう仕事が、嫌になったんです。」

そう言って私は、拓未さんの返事も聞かずに、また自分の部屋へと、戻って行った。
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