天使の階段
女の子達の想いが詰まった、たくさんの手紙。

それは冷え切ってきた私の心を、少しずつ少しずつ、溶かしていってくれた。

「桜井。もうおまえの夢は、桜井一人のモノじゃないんだ。」

拓未さんの温かい手が、私の背中に触れる。

「一番身近で応援してくれてた親友が亡くなって、心細いのは、よく分かる。だが桜井を応援してくれてる人は、日本全国に……」

私は手紙を、クシャと握り潰した。

「ダメなんです。」

「桜井?」

「私はモデルをやってたら、ダメなんです。」


体が震えてきた。


「私がモデルになったばっかりに、郁を死なせてしまった……」


郁、私はまだ、

あなたのいない闇を、彷徨っている。


どうすれば、あなたが死なずに済んだのか。

今でも24時間、考え続けている。



郁、

郁、

私は光を永遠に、失ってしまった。



< 76 / 81 >

この作品をシェア

pagetop