私は今日女になる
男は更に、私の腕を引っ張る。

「止めて!止めてってば!」

そして私が、思わず立ち上がってしまった時だ。


「その手、放して。」

大田の声がした。

「俺の連れです。放して下さい。」

すると男は、私の腕から手を離し、どこかに行ってしまった。

「よかった。間に合った。」

大田は、私の前に座り込んだ。


「すずが襲われたらどうしようかと思った。」

「襲われたら、処女じゃなくなるから?」

「あのねえ。」

大田は立ち上がると、私を抱きしめた。

「処女だからとか、処女じゃないからとかで、女の価値は変わらないから。」

大田の言葉に、泣きそうになった。

「でも、恋愛したい。」

「はいはい。だから、俺がいるじゃん。」

この温もりが、私を包んでくれる。

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