前世で魔王に殺された聖女ですが、ごく平凡な一般人に生まれ変わっても魔王に捕まりました。なんか用ですか?

おまけ小話

いつも『壊せ、滅ぼせ』と囁くのは、破壊の女神だ。なぜかヤツは俺にずっとまとわりついて離れない。
世界を滅ぼして真っ平らな地平線から昇る朝日を美しいと思った。

『世界を滅ぼせば何でも願いを叶えてあげる』

消えろ、失せろと言いたかった。
だけど、口からこぼれ落ちたのは別の欲求だった。

もう一度会いたい。

普通のヤツなら屍を踏み潰すくらいどうでもいいと思っていた。
だがその人はそうはさせてくれない何かがあった。
はじめて美しいと思った。この感情は彼女を殺しても変わらなかった。

『生き返らせることはできないが、記憶を持ったまま生まれ変わらすことはできる』
「……」
『殺された記憶があるから、貴方のことは絶対愛さないでしょうね』

女神は満足そうに笑った。

「……心まではいらない。力ずくで妻にする」
『とても貴方らしいわ』

誰と重ねて俺を見ているのかわからないが、このしつこい女神につきまとわられる人生は変わらないらしい。
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