『人妻の過去』
だけど…


『産みたくない』


なんて言えなかった。


自分と、愛する人の子供なのに


そんなことを言うのは…


『人』じゃないような。


まして女なら…尚更。


冷たいとか、自分勝手とか人から非難されるのが怖かった…。


それなら、


『頑張って産んだ子』


か。


『産みたかったけど、いろんな理由によって,産めなかった可哀相な子』


になりたかった。


仁君は…


根性なしだから


アタシの親に頭を下げて説得する気もないだろうし。


きっともっと遊びたい…


アタシと結婚する気なんてない。


まして…


堕ろすお金すら


仁君は出してはくれないだろう。





優子達は、


仁君が帰って来るまでに自分の気持ちを整理して、産みたいって話さなきゃ!!


と言って帰って行った。


『産みたい』なんて…


言えない。


だって…


産みたいとは思えなかったから…。






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