『人妻の過去』

手術

よく晴れた、雲一つない青空−−−


少し外に居るだけで


身体を焦がすように照り付ける日差し。


汗ばむ肌。


そんな中−−−


アタシと仁君は、アパートにタクシーを呼んで


手術の予約をしている産婦人科に向かった。


仁君は、産婦人科の隣にある神社で


手術の無事を祈りながら待っていると言った…。


この前と同様,1人で産婦人科の玄関をくぐる。


中は、この前と変わってガラガラで誰も居ない。


きっと…手術のために、一般の診察はお休みしているんだと思う。


あきな;すみません,中絶手術の予約をしていたんですが…


看護師;はい。お渡ししていた注意事項は守られて来ましたか?


注意事項とは、全身麻酔を使うため,0時以降は飲食の一切を禁止するものだった。


あきな;はい…。


看護師;かけてお待ち下さい。


誰もいない待合室の椅子に座り,お腹に手をあてる…


ちっともわからないけど…


ここに居るんだね,






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