『人妻の過去』
仁君は布団に入り…


おいでおいでと


手招きをする。


その,招き猫のような『おいでおいで』に


アタシは引っ張られるように布団に入った。


アタシは身体を固くしたまま仰向けに寝て。


仁君は、俯せに寝ながら,腕はアタシの首の上に…


ラリアットをくらわせるような体勢で寝てた。


いくら華奢な仁君の腕でも…苦しい…。


そっと,仁君の腕をよけると


仁君は急に起き上がり、アタシに覆いかぶさってキスをしてきた。


そのキスは、

いつもより荒々しくて、

激しくて、

だんだんと首筋に下がっていき…

アタシも身体が熱くなるのを感じていた。


仁君の右手が、服の上からアタシの胸に触れたとき…


仁;…めだ……駄目だ!あきなの事は大事にしたいから,まだ…出来ない。


それだけ言って


ロフトを降りて


コタツに潜った…。


アタシはしばらくそのままの体勢で固まっていたけど


ふいに涙が頬を伝って流れて行く…


あきな;…ごめんね,…仁君…ごめんね…。



なんで謝っているのかわからないけど


無性に申し訳なくて、


涙を流しながら


何度も何度も


謝った…。





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