『人妻の過去』
アタシの家と、哲平の家は、


車でも1時間はかかる。


そこをいつも哲平は、
嫌な顔ひとつしないで迎えに来てくれた。


今日はアタシが哲平の家まで行こう。


そう思ったけど、


きっと哲平の顔を見たら、情が沸いて来て
別れられなくなる…。
きっと哲平は泣くし。
泣いている哲平も…
見たくないから。





いつものように、
哲平から
『仕事終わったよ』と,メールが来た。


アタシは緊張する手で…
哲平へ電話をかけた。


哲平;どーした?


哲平は車を運転中のようだ。


あきな;うん。ちょっと話しがあって…運転中でしょ?またかけ直す!!


哲平;なんだよ〜話しって。家着いたら俺からかけるよ。


哲平の優しい声と,さりげなくアタシの通話料を気にしてくれる優しさ…


アタシはずっと…


その優しさに守られてきた。


あきな;大事な話しだし…長くなるから…。アタシからかける!!


哲平;…わかった。




哲平はそう言ったけど…15分後,


哲平から電話がかかってきた





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