『人妻の過去』
あきな;お疲れ様。今、かけ直すね…!


哲平;いい!…このまま話して?


いつもと変わらない優しい声だけど…
何かを悟ったような…
悲しい声…。


あきな;…うん…。ありがと………、あのね…


うん…と,優しい声で相槌をうつ。


あきな;アタシ…アタシ達!!別れよう…


哲平;…なにそれ?俺…なんか怒らせるような事、したっけ?!


あきな;違う…!ちがくて!哲平は何も悪くないの…アタシが変わったんだと思う…。


哲平;…好きなやつでも出来た?


−−−ドクン−−−


言わなきゃいけない。
言わなきゃ…


何も始まらない…。


あきな;…ごめんね,


思わず涙がこぼれて…
涙声になってしまう。


哲平;泣くなよ。泣きたいのはこっちだし…


あきな;本当にごめんなさい。哲平はいつも優しくて…アタシはいつもその優しさに甘えてばっかりで…。
バレなきゃいいかなって…考えたりもしたし。ほとぼりが覚めたらまた哲平と…って何回も考えたよ…でもっ!!!


哲平;…じゃあもう何も言うなよ。最後まで、黙ってろよ。
俺…今の話しは聞かなかったことにするし!


アタシの言葉を遮って必死に話す哲平…


ありがとう−−−
でも…


あきな;それは出来ないよ…


哲平;…なぁ、それって俺の為?それとも…そいつと付き合いたいから?





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