『人妻の過去』
哲平と別れた翌日。


予め仁君に、


夜に電話をするとメールしておいた。




−−−21時−−−


頃合いを見計らって仁君に電話をかける。


プルルルル〜プルルルル〜…


ちょうど2コール目で、仁君が電話に出た!



あきな;仁君?聞いて欲しい事があって…。


仁;うん。何?


思ったよりも素っ気ない仁君の言葉に…アタシは意を決して、話しを始める。


あきな;アタシ…彼氏と別れたんだ…


仁;ふ〜ん…。


あきな;もちろん、自分の意志で!!


仁;…うん…で?


いつもよりも素っ気ない…と言うより冷たい仁君の話し方に…
涙がこぼれた。


仁;…泣くってことは、未練タラタラじゃん…


あきな;違っ!!!


仁;俺…彼氏と別れて欲しいって言った?


あきな;…うぅん…


仁;それに…俺に会うのに彼氏に平気で嘘ついてるとことか見たら,最初から信用出来ないじゃん。


仁君は初めて2人で会った日の電話のことを言ってるんだとすぐにわかった…


あきな;あれは…あぁ言うしかなくて…。それに仁君に会いたかったからで!!


仁;そしたら俺より気になるやつが出来たら、俺にも同じように嘘つくんだろ?!
馬場のことだって…アイツに彼女が出来てなかったら、都合良く引っ張ってただろ?


仁君の言う事は…

とても冷たくて…胸をナイフで切り付けられるような感覚で…

でもそう感じるのはアタシが

仁君を好きだからじゃなくて

仁君の言う事が

間違ってはいなかったからだ…。



少しチヤホヤされて、
誰も大切に出来ずに


いい気になってた


『罰』





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