超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する
第57話 優しい美男子は相手に話を合わせる
アンセムは図書館に来た。
今日は手伝いではなく品種改良の勉強のためである。
テラスにはあえて声をかけていない。
昨日の出来事がどれだけテラスに影響を与えているかわからないので、自分と会うペースはテラスに任せることにしたのだ。
必要な本を探し、席に座って集中する。
しかし、意識は常に図書館の入り口に向けられていた。
しばらくすると、図書館のドアが開く。
音ですぐにそれがわかり、アンセムはテラスではないかと顔を上げたが、入ってきたのはナミルだった。
ナミルは昨日シンが選んで渡そうとしていた本を借りにきたのだ。
結局あの後シンの部屋へ行き、お互い気の済むまで求め合い、そのまま眠り、目が覚めてお腹が空いていることに気づき、2人で食事をして別れた。
あんなにもシンが情熱的だとは思わなかった。
あまりの急展開で、今でも信じられないくらいだが、心はとても満たされている。
図書館に入ると、アンセムがいることにすぐ気付いた。
(そうだ…私、昨日アンセムさんの顔を見たくなってここへきたんだった…)
そんなことは今の今まで忘れていた。
ナミルはカイに挨拶すると、アンセムの元へ行った。
「おはようございます」
声をかけるとアンセムは顔を上げて「おはよう」と穏やかに返事をしてくれた。
「今日はカイさんの手伝いじゃないんですか?」
「ああ。課題だよ」
「ここで勉強してるなんて、珍しいですね。テラスさんと待ち合わせですか?」
アンセムは一瞬口ごもってしまう。
昨日自分が本棚を挟んだ向こう側にいたことなど、ナミルは知るはずもない。
今日は手伝いではなく品種改良の勉強のためである。
テラスにはあえて声をかけていない。
昨日の出来事がどれだけテラスに影響を与えているかわからないので、自分と会うペースはテラスに任せることにしたのだ。
必要な本を探し、席に座って集中する。
しかし、意識は常に図書館の入り口に向けられていた。
しばらくすると、図書館のドアが開く。
音ですぐにそれがわかり、アンセムはテラスではないかと顔を上げたが、入ってきたのはナミルだった。
ナミルは昨日シンが選んで渡そうとしていた本を借りにきたのだ。
結局あの後シンの部屋へ行き、お互い気の済むまで求め合い、そのまま眠り、目が覚めてお腹が空いていることに気づき、2人で食事をして別れた。
あんなにもシンが情熱的だとは思わなかった。
あまりの急展開で、今でも信じられないくらいだが、心はとても満たされている。
図書館に入ると、アンセムがいることにすぐ気付いた。
(そうだ…私、昨日アンセムさんの顔を見たくなってここへきたんだった…)
そんなことは今の今まで忘れていた。
ナミルはカイに挨拶すると、アンセムの元へ行った。
「おはようございます」
声をかけるとアンセムは顔を上げて「おはよう」と穏やかに返事をしてくれた。
「今日はカイさんの手伝いじゃないんですか?」
「ああ。課題だよ」
「ここで勉強してるなんて、珍しいですね。テラスさんと待ち合わせですか?」
アンセムは一瞬口ごもってしまう。
昨日自分が本棚を挟んだ向こう側にいたことなど、ナミルは知るはずもない。