大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
(え? これって、ジェラルド様がまんまとイライザ様の思惑にはまってしまったのでは――?)
 はっとしてセシリアは目を開ける。室内はだいぶ明るく、チュチュチュと小鳥のさえずりが聞こえる。
 変な夢をみたような気がする。喉はからからに渇いていて、寝間着が肌に張り付いて気持ち悪い。
 セシリアがフェルトンの街にやってきて二か月が過ぎた。
 教会の子どもたちと一緒に砂糖作りをした後、その砂糖をボリスに食べてもらったら、蕩けるような顔をして喜んだ。そしてすぐに商会のメンバーたちと顔を合わせる日が決まった。
 フェルトンの街の代表になったのがケアード公爵のオリバー。しかし、代表代理としてエレノアがこの街をまとめる。だから今後はエレノアに従うようにと公爵が説明した。
 だが、いくら公爵からの指示であったとしても、エレノアは十八歳の成人を迎えたばかりの女性だ。彼らは「こんな小娘に」という不躾な視線を投げてきた。
 そこでエレノアが街のはじっこに生えていた草のような植物「さとうきび」を使った事業について説明し、さらにそれから作った砂糖を食べてもらったところ、手のひらをころっと返してきた。
 いや、商会長のボリスやドイル神父の後押しもあったのだ。
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