大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
「へぇ~茶葉じゃなくて豆ね。それに……甘いのよ。この甘さが疲れた身体に染み渡るわ~」
 セシリアが砂糖について説明しようとしたとき、エレノアが視線を向けてきた。こうやってセシリアが調子にのって喋りすぎると、エレノアが止める。
 セシリアは、見た目は七歳の女の子。過去視や未来視によって得た知識をむやみやたら口にするなと、姉からは何度も注意されているのだが、調子にのって話してしまうこともしばしば。
「先ほど、モリスが倒れていたところの近くに、大きな草が生えていたでしょう?」
 セシリアの言葉の続きをエレノアが奪った。そしていつまでたっても、さとうきびは大きな草扱い。
「あぁ……あったね、背の高い草だね」
「あの草から、砂糖と呼ばれる調味料を、ここで作っているのです。こちらのコーヒー牛乳にはその砂糖が入っています」
「甘い調味料? 砂糖? 初めてきいたわ。もうとにかく、ここの料理はどれも美味しい」
 モリスの手も口も忙しなく動いていた。
 だけどお腹がいっぱいになった頃、ぱたりとその手が止まる。
「あぁ、もう。最高! そういうわけでセシリア。あなた、私の弟子にならない? そうすれば私も、ここにいる口実ができる」
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