大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 想像しただけでも目頭が熱くなる。
 昨日だって「帰りたい」と言ったセシリアの手をやさしく握りしめ、一緒に馬車に乗り込んだのだ。
 緊張した空間から抜け出せてほっとしたのと、馬車の揺れが心地よくてうとうととしていたら、エレノアはセシリアに向かって天使のように微笑んだのだ。
『セシリア。眠かったら眠ってしまってもいいわよ。着いたら、お父様が部屋まで連れていってくれるはずだから』
 琥珀色の目を細くしてそう言ったエレノアは、セシリアの頭をゆっくりとなでてくれた。それに甘えて、セシリアは姉に寄りかかるようにして目を閉じた。
 そこからの記憶が曖昧なのは、きっと馬車で眠ってしまったからだ。そのまま父親が部屋まで運んでくれて、使用人の手によって着替えさせられ、今までぐっすりと眠り込んでいたようだ。
 さて、ここからが問題である。
 セシリアは、きっと唇を固く結んで顔を上げる。
 よくわからない記憶によれば、エレノアは禁忌とされている暗黒魔法に手を出したうえに処刑されてしまう。描写はなかったが、間違いなくケアード公爵家は取り潰しとなるだろう。
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