大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
(きっかけは、お父様が婚約解消を渋ったから……。それに、国王陛下も王妃様も、お姉様のことを気に入ってくださっているから、婚約を解消したくなかったのよね。だからお姉様もジェラルド様をあきらめきれなかったのだわ……いえ、むしろプライド? てことは、さっさと婚約解消させてしまえばいいのだわ。問題は、お父様をどうやって説得するか……)
 一家路頭なんてたまったものではない。間違いなく父親だってなんらかの罪に問われるはずだ。エレノア処刑後のケアード公爵家のことなんて、小説には書いてなかった。どうでもいい内容と判断されたのだろう。
 だからその後、ケアード公爵家の人々がどうなったのかだなんてまったくわからない。だが、いいことではないのだけは確か。
 セシリアは家族が大好きだ。外務大臣を務めている父に、おっとりとしている母。そして六年間、学園で勉学に励み、立派な王太子妃になろうと努力してきた姉。
 この家族を守りたい。
 ベッドから下りたセシリアは、水差しからグラスに水を注ぎ、一気に飲み干した。
(ぷはっ……。絶対にお姉様の処刑を阻止しなければ!)
 そこまで決意したものの、もう一度眠気が襲ってきた。きっと今はまだ、真夜中なのだろう。七歳のセシリアの身体は睡眠を欲している。
 身体の渇きが潤ったところで、もう一度ベッドに潜り込んだ。
(とにかくお父様には、お姉様とジェラルド様の婚約解消の手続きを滞りなくすすめるように言わないと……)
 そんなことを考えているうちに、眠りに落ちた。

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