大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 さとうきび畑の次は、教会に向かう。
「ああ、あの建物だよ。私が、目印にして向かおうとしていたところは、教会だったのか……」
 財布をすられて無一文になったモリスは、とにかく建物が見えるほうに向かって歩いていたらしい。教会は商会館の裏側に建っていて、真っすぐに伸びる尖塔が目立つ。だが、その教会にたどり着く前にモリスは力尽きた。
「なんか甘い匂いがするね」
 教会に近づくにつれ、砂糖の甘い匂いに包まれる。
「そうなんです。この匂いも美味しい匂いだから、まだいいんですけど……本当は、よくないですよね。こうやって、作っている場所の外にも匂いとか音とかが漏れてしまうのが問題だって、お姉さまが言っていました」
「だから、専用の工場を作るってことね……」
 これから砂糖を作る量も増える。それが実現できるようにと魔法具まで開発している。
 セシリアとしては、魔法具を使って白い砂糖を作りたいのだ。だから、オリバーには遠心分離機を作るようにお願いした。もちろん遠心分離機なんて誰も知らない。セシリアの謎記憶を頼りにエレノアが絵を描いたうえで「遠心力を使うのね」なんて、彼女はすぐに理解した。
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