大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
「失礼、ちょうど声が聞こえてきたもので。それにエレノア殿との茶会が待ちきれなくてね」
 少しだけ首を傾げて微笑むコンスタッドの様子に、エレノアがぽっと頬を赤らめたのをセシリアは見逃さなかった。
「お姉さま。シング公爵をお待たせしては失礼ですよ。今日は天気がいいので、東屋(ガゼボ)がいいと思います。セシリア、みんなに言ってきます」
 フェルトンの公爵邸で働いている使用人は最小限であるため、場合によってはセシリアやエレノアが自ら動く。
「そうだね、エレノア。畑や工場の見学は明日でいいから、今日はシング公爵をゆっくりともてなしてくれないか?」
「お父様は?」
「ケビンと話があるからね。近況報告を聞きたい」
 片目をつむった父親を見て、セシリアにもピンとくるものがあった。たとえ八歳であっても、男女のあれこれには興味津々。
「では、エレノア殿。お言葉に甘えて、案内していただいてもよろしいでしょうか?」
 そう言いながらもエスコートしようとするコンスタッドはスマートである。
 さらに父親までお膳立てしようとしているのだから、少なくともコンスタッドは父親に認められたのだ。
 セシリアは、真っ白いウェディングドレスを着てコンスタッドの隣に立つエレノアを想像し、むふっと笑みをこぼす。
 
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