大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
「あぁ……この『さとう氷』というお菓子は美味い。これ、ロックウェルでも売れそうだな。母上とか……好きかもしれない……」
「でしたら、帰りにお土産に持っていってください。でも、まだ作ったばかりのお試し品なので、早めに食べてくださいね」
「ああ、わかった。おれも、おまえが作ったお菓子を食べて、腹を壊したとかは言いたくないしな」
 そこでシオンが『さとう氷』を口の中に放り込む。
「でもさ。こうやって手軽に食べられるのっていいよな? 遠征のときとか重宝されるんじゃないのか? でも、あれか。日持ちはしないのか?」
 誰に言うでもなく呟くシオンの言葉を、セシリアがすかさず拾った。
 そこでセシリアの中に謎の記憶が流れ込んでくる。
「あっ……」
 今、フェルトンの街で作っている砂糖はグラニュー糖だ。グラニュー糖を固めれば角砂糖ができるし、結晶を大きくすれば氷砂糖も作れる。
 氷砂糖なら、飴のようになめて楽しむこともできるし、角砂糖のように簡単に溶ける心配もない。ただ、水気には弱いことに変わりはないが。
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