大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 感極まったセシリアは、琥珀色の目を大きく見開き、口を「あ」の形にしたまま固まってしまう。
 そんな彼女を、シオンが心配そうに見つめた。
「お、おい。大丈夫か? セシリア? 何かあったのか?」
「あ、ありました! シオンさまのおかげです。新しい砂糖を思いついたんです」
「新しい砂糖?」
「はい。シオンさまがおっしゃったように、遠征にも持っていけて、手軽に食べられて、日持ちする砂糖です。そもそも砂糖は長期間保存しても変質しません。今は粉状ですけど、持ち運びやすいように固めればいいんですよね?」
 一気にまくし立てるセシリアに、シオンは唖然とする。
「すごい、すごいです、シオンさま!」
 セシリアは興奮のあまりシオンの手を両手で握りしめ、感謝と熱意を伝えるが、対照的にシオンは冷静だった。いや、むしろ引いていた。
「セシリア~」
 エレノアの声が風に乗って届いた瞬間、セシリアは我に返った。
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