大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 セシリアもためらいがちに答える。
「セシリア様が転ばないように、手を繋ぎますね」
 先ほどまでの軽い口調から一変したシオンの丁寧な話し方に、心の奥がむず痒くなった。
「では、エレノア嬢」
 コンスタッドもエレノアをエスコートしようとしたが、彼女はきっぱりと断る。
「わたくしたちは視察に来ているのであって、デートしに来たわけではありませんから」
 それを聞いたシオンは笑いをこらえていた。
 セシリアも慌てて手を引っ込めようとしたが「あら、セシリアはいいのよ」と姉から言われてしまい、結局シオンとは手を繋いだまま。
「シング公爵。せっかくですから街の様子をご覧ください。こちらが街の中心部の入り口になります。大通りは真っすぐに商会館へと続いております。商会館の隣に教会、そして砂糖の工場があります」
 街の入り口からでも教会の尖塔はよく見える。
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